ThePowerOfVoice’s diary

木村匡也(きょうや)のブログ・主にテレビに映ってない部分の話し

命のビザを書いた杉原千畝、その決断あなただったら出来ますか?そしてもう一人の命のビザを繋いだ男小辻節三(こつじ・せつぞう)


 

杉原千畝の決断

 

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             by木村匡也


 

リトアニアで「命のビザ」を発給し6,000人ものユダヤ系避難民をナチス・ドイツから救ったといわれる、杉原千畝(スギハラ・チウネ)その決断をあなたなら出来ますか?

 

 

 

サクラのことで杉原千畝のことを書いたついでに、もう一度、私自身も「杉原千畝」について色々調べるみると、非常に気骨のある人だったことが分かって…もう本当に胸アツです。涙があふれて来ます。

 

thepowerofvoices.hatenablog.com

 

 

 

この当時、一人の外交官だった杉原千畝が突きつけられた、究極の選択を再現してみます。同じ立場だったら、、、

 

あなたならどうしますか?

杉原の立場で考えてみてください。

 

君ならどう生きる?

 

 
 

杉原千畝」ズバ抜けたロシア語通訳

ロシア人女性と結婚し、

ロシア正教会の洗礼まで受けたロシア通。

若くしてロシア・ソビエト専門の外交官となる!

 

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もともと杉原千畝は、非常にロシア語に堪能な通訳官でした。ロシア語だけでなく、当時のソビエトの政策、経済にも精通し、若くして外務省きってのソビエト・ロシア専門家になっていきます。

 

 

 単なる通訳ではなく、交渉もできる外交官として重用されていました。

 

ソ連から鉄道(北満鉄道)の譲り受ける交渉では 数億円もの値引き を成功させ、大きな功績をあげました。

 

 

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最初の結婚は、白系ロシア人女性:クラウディア・セミョーノヴナ・アポロノワとです。この時期杉原千畝は、洗礼を受けてロシア正教会の信徒になります。

 

 

当時たくさんの民族が暮らしていた国際都市ハルビン

二人はどんな出会いをし、どんなデートを重ね?

そしてどんな結婚生活を送っていたんでしょう?

 

ロマンが膨らみますね。

大正〜昭和初期の外交官の国際結婚♡

 

白系ロシア人:革命後ロシアから脱出・亡命したロシア人。当時ハルビンには4万人を超える白系ロシア人が住んでいたと言われている。

 

 

しかし優秀な外交官ゆえに、スパイ(間諜)になれ!という執拗な要請が!

 

非常に優秀だった外交官、杉原千畝には、軍部(関東軍)からスパイにならないか?という強硬な要請が何度も来ます。しかし彼はこれを拒否。杉原は、横暴な軍人があまり好きではなかったようです。

 

 

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杉原は、3年間「満州国」の外務省に出向していましたが、横暴な軍人が「ホトホト厭だった」とのちに語っています。

 

  

何度頼まれても、いくらお金を積まれても杉原はスパイにはなりませんでした

 

 

 すると軍部は「杉原はロシアのスパイだ!」とデマを流し、潰しにかかります。なびかない奴は抹殺してしまえ!なのです

 

 

ついには杉原は、ロシア人妻クラウディアと離婚に追い込まれますスパイ容疑をかけられた杉原は、外務省も辞めて失意のうちに日本に帰って来ます。昭和10年1935年のこと。

 

 

 

また貧乏暮しに戻ってしまった杉原千畝、、、

 

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pixabay 

 

しばらくして再び日本の外務省に復帰します。

 

生涯の伴侶「幸子さん」ともこの頃結婚します。

 

が、なかなか希望するモスクワ大使館付きにはなれません。

そこにはもう一つ陰謀がありました。

 

あまりに優秀な外交官、ゆえにペルソナ・ノングラータ(好ましくない人物)にされる。奴をソビエトに入れるな!

 

あまりに優秀な外交官。ソビエトはいろんな口実を作って優秀な杉原をモスクワに来させないように工作します。そうなのです。今度は「ソビエト」が杉原を外交官として拒否していたのです。

  

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元妻がロシア人?、、、しかも社会主義革命を嫌ってソビエトから逃げた「白系ロシア人」だ〜杉原自身もスパイなのでは? 杉原はまたも「スパイ容疑」をからかけられ「ペルソナ・ノングラータ(ふさわしくない人物)」としてソビエトから拒否されてしまうのです。

 

もちろんこれは杉原を拒否する「いいがかり」でした。

 

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スギハラ…あの男はモスクワに呼ばないほうがいいだろう



 

 

 

旧日本軍、ソビエト政府、どちらからも拒否される。杉原にとって辛い時期が続きます。 

 

やがてヘルシンキで領事館勤務を経て、昭和14年リトアニア共和国に赴任します。

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さてここで問題ですが

なぜ杉原はリトアニアにいたのか?

 なんで

日本人はほとんどいない国リトアニアカウナス なのでしょう

(今でもあんまりいません!)そんな国リトアニアに?なぜ?

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杉原千畝には大きな任務がありました。

 

当時同盟関係にあったナチス・ドイツヒトラーは事あるごとに「いつかソビエトに侵攻する」と口にしていました。

 

ナチスがいつソビエトに侵攻するのか?その正確な日程を把握するのが外交官スギハラに課せられた任務でした。

 

 

 

しかし、残念なことに杉原がリトアニアに赴任してすぐ、リトアニアという国がなくなってしまいます〜ソビエトに組み込まれてしまったリトアニアバルト三国

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リトアニアポーランドソビエトの間。情報収拾の場所としてはとてもいい場所にあったのですが、、、小国であったため、杉原が赴任して来てすぐにソビエトに吸収合併されてしまいます。

 

つまり、、、せっかく赴任したのに

領事館をたたんで、

リトアニアを出ていかなければなりませんでした。

 

 

 

そんな頃ある事件が起きました。

 

 

朝、たくさんの人々がカウナスの日本領事館の建物の外に集まっているのです。鉄の柵が壊れてしまうのではないか?というほどたくさんの人が押し合いへし合いしています。

 

 

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この場所にたくさんの避難民が押し寄せていた

 

これは、ユダヤ人。ユダヤ系の人たちだ!

 

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ドイツ(ポーランド)から逃げて来た人々なのです。

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もちろん杉原千畝は、数年前からユダヤ系の人々が大量にドイツやポーランドから流入していることは知っていました。ナチスによるユダヤ人迫害から逃れるためたくさんのユダヤ系の人々がここにも逃れていたのです。

 

彼らが求めているのがビザ(査証)

 

それを発給してもらいナチスの追っ手がせまる

ヨーロッパから脱出するのです。

日本を経由し、第三国へ脱出するのです。

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希望の門 命のビザ 現在の旧領事館(リトアニアカウナス

 

リトアニアは、すでにソビエトに併合されてしまいましたので、ソビエト政府からの要請で、遅かれ早かれ、外国領事館は閉鎖しなければなりません。カウナスの日本領事館は、まだ残っている数少ない外国領事館の一つでした。

 

もう時間がない。

 

 

ユダヤ系の人々に取っては

生きるか死ぬかの大問題です。

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裕福なユダヤ人なら、その先のアメリカやカナダにまで亡命できるお金を持っています。保証人もいます。しかし、そこに立ってる人たちは、普通の人々なのです。ビザを発給してもいい条件を持ってない人々(渡航費、滞在費、その後の就職先、保証人)、普通の人々なのです。

 

 

刺すような眼差しで、領事館を見つめています。

日本領事館の門が開くのを今か今かと待っているのです。

 

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もしこのまま彼らが送還されてナチス・ドイツの手にわたったらどうなるのか?

 

有能な外交官だった杉原千畝は知っていたことでしょう

 

 

 

 

実はすでに当時の日本政府はユダヤ避難民の存在を認知していたが、政府の方針として、ユダヤ系の避難民と関わり合わないよう!外交官に指示を出していました。

 

ナチス・ドイツは日本の同盟国なのです。

 

あなたならどうしますか?

 

自分の職務に関係ない!と言えばいくらでも、ユダヤ系避難民を無視することはできます。本国の方針も、ユダヤ系の避難民に関わるなと言っている。

 

しかし、彼らが強制送還されたら、、、おそらく生きてはいまい。

 

あなたならどうしますか?

 

 

 

彼らを見殺しにしてしまうのか? 

 

それとも彼らを助けるために、ビザを発給するのか?

 

 

 

 


 

 

日本やその先に向かう国に「身元引き受け人」がいるようには見えないのです。お金だって持ってないだろう、、、

そのような人にビザを発給することは外交官の服務規定に違反することです。 つまり 当然、処罰の対象になります。

 

 

杉原は、、、二つの選択を突きつけられます。

 

「保身」

  か

「人道的な決断」

 

 

あなたなら、どうしますか?

 

杉原千畝と同じ立場にだったら、どうしてたと思いますか?

 

 

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 そのとき

妻の幸子さんが、思わず 夫に言いました。

 

あのユダヤ人たちを助けて下さい

あのユダヤ人たちを助けて下さい

あのユダヤ人たちを助けて下さい

 

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汝の幼子の命のために、

主に向かひて両手をあげよ。

 エレミアの哀歌(旧約聖書

 

 奥さんの幸子さんは、群衆の中にいた、小さな子供の瞳をみたとき「哀歌」の一節を思い出しました。

 

 

 

 

そうだな、その通りだな、

これは人道上どうしても拒否できない

この人たちを見捨てるわけにはいかない

 

「領事の権限でビザを出すことにする。いいだろう?」

 

「あとで、私たちはどうなるか分かりませんけど、

 そうして上げて下さい」

 

 

 

よし、助けよう!

領事の権限でビザを書こう。

 

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カウナス日本領事館の扉が開いたのです。

 

 

これから1ヶ月、杉原千畝は必死にビザを書き続けます。

 

 

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遥かなる人の声が、聞こえてくる!

 

 

 



 

 

 

 次回、、、このビザで命からがら日本に来たユダヤ系避難民たちには入国拒否の可能性があった。小辻節三(こつじ・せつぞう)というユダヤ系避難民を救うために粉骨砕身で働いた人のことをご紹介します。

 

杉原千畝が、書いた命のビザ、、、しかしそのビザが有効なのはわずかに10日間。

ビザが切れてしまうとユダヤ系避難民は「強制送還」されてしまう。

ナチス・ドイツの手に戻されてしまえば彼らには「死」が待っている

 

滞在するための余裕がない「普通の人々」

10日で、アメリカやカナダに保証人を見つけることは不可能

 

絶体絶命になるユダヤ系避難民を、救うためにたった一人の男が

必死の努力をする

 

小辻節三 (こつじ・せつぞう)

 

この名前を知っていますか?

 

小辻節三

maemuki.me

 

 

 

第29話 終了